調査開始①資金計画
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2019年9月
調査、といってもそうたいしたことはしなかった。
生活費や治安についてwebで調べる程度である。
しかし、その情報は主にイスタンブルのものであり、私が住みたいイズミル地方の情報はあまりヒットしなかった。
イスタンブルでの生活費は月10万円位、と、その当時の記事には書かれていた。
私は日本の家を賃貸に出して家賃収入を月に5万円くらい得るつもりでいたので、相殺して年間60万円の生活費+旅行費用40万円で計算し、60歳までに1000万円、食いつぶす計算をした。
これなら何年か住んで、飽きて、日本に戻ったとしても住む家もあるから、と単純に考えていた。
しかし、不動産業者に相談すると、海外に移住する場合は、賃貸よりも売却の方が合理的では、という提案を受けた。
日本国内にいれば自分で管理や、安いメンテナンス業者を探すこともできるが、その辺がすべて管理会社任せになるので、通常よりも費用が掛かるだろうということであった。
ついでに転勤のために自宅を賃貸に出している友人にも聞いたところ、ローン返済ぎりぎりの収入で、毎月若干の赤字が出るとのことであった。
私の場合はローンがないからメンテナンス費用を除いた家賃がそのまま収入にはなるが、色々と面倒かもしれない。
また、税務署にも聞いてみたが、このパターンだと、代理人をたて、毎年確定申告を行う必要があると言われ、これも面倒だな、と思った。
売却の場合ももちろん確定申告が必要だが、一度で済む。
そして、私の日本の家は駅から遠く、車が必要な立地である。
年老いて日本に戻ってから住むなら、駅に近くて車がなくても移動が簡単にできる場所に新しく家を探すのも一つの考えではないかとも考えた。
思い付きで移住を計画してはみたものの、色々な情報が必要だと思い知らされた。
どのくらいの期間移住するのかも、何もかもがノープランの思い付きだったから。
調査やその他の過程も含めて、これは、大掛かりな遊びだな、と、私は久しぶりに気持ちが昂った。
長い間、退屈していた。
同じ日々の繰り返し。
無限ルーティンから抜け出せる時が近づいているのかもしれない。